この手から
この身から
モノを創り出すことの喜びの裏には、
いつだって
「モノを生み出すことに何の意味があるのだろう?」
の問いが隠れている。
わたしは、
マクラメを趣味から生業にしてから
その問いにブチ当たることが出てきた。
ここからながーい語りが始まるので、
興味ある方だけどうぞ。
元々、自己表現としてスタートしたアクセサリー制作。
なにも持っていないわたしが何か、
何か生きている証をこの世界に残したい。
小さな小さなわたしのひと雫を世界に落とし、
波紋を立てるその様子を知りたい。見たい。
そして何より、
シンプルに今を生きる意味を感じたい。
そんな気持ちをもって始めた結びのアクセサリー創りは
とにかく面白く、毎日が途端に輝いた。
飽き性のわたしが18年続けてこれた理由は
至ってシンプルで、そこに生きる意味を感じたから、だったりします。
始めた当初は拙い結び目、
週替わりにジェットコースターなモチベーション、
需要があるかも謎なデザイン、
でも、とにかく楽しかった。
こんなにも夢中になれるコトと出逢えるなんて、
なんてラッキーなんだ!と好きなように創りまくる日々。
幸せだった。
最初は、フリーマーケットで初出店。
そして、飲食店や雑貨店での委託販売。
時折ワークショップを挟みながら、
念願のオンラインショップをオープンしたのが
今からちょうど10年前の話。
オンラインショップに出品すれば
即完売という状況が長く続き、
そこに“自己表現”と“需要”がマッチしたことが
とても面白く、夢中になって制作に励んだ。
そこからどれくらいかな、
6年目ほどから『出したら即完売』という
状況に変化が訪れ始めて。
マクラメアクセサリーを創る人口も以前に比べ
飛躍的に増えた昨今、
「どうしたら古参のわたしは生き残れるか」を
考えるようになったのもこの頃から。
そして同時に
「マクラメで生きていきたい、生業にしたい!」
という想いが固まってきたこと。
学生を卒業してから正社員になったことはなく、
長い間フリーターとして職を転々とし
バイトと旅に明け暮れてきた半生。
マクラメに出逢い、
長い間夢中になってきたことでいつしか
「生涯続けていきたい」と思うようになっていた。
「やるなら、本気で。」
そんな気持ちがわたしを個人事業主にさせたのが2020年のお話し。
でも、そこから新たな苦悩が生まれることとなり、
『好きを仕事にすることの苦悩や葛藤』を経験していくこととなった。
元々、好きなように創り販売する、という
“プロダクトアウト”なスタイルでスタートしている月麻。
ブランディングもマーケティングも「???」な中、
経営のイロハも何も分からず、
手探りしながらの日々。
一年を通しての売上や月の売上、
制作ノルマ、
確定申告、
SNSやオンラインショップ、Blogでの発信、
創るアクセサリーのデザイン、
などなど、考えることは常に盛りだくさん。
いつの日か、
マクラメを結ぶことが“義務”に感じるようになっていった。
そこに気付いてから、
自分の制作活動や月麻に疑問を感じることも出てきてしまった。
創ることに苦悩を感じ、葛藤を持ち、
誰のために?何のために?考えることも増えた。
趣味のままの方が良かったのでは?など。
でもね、
自分の足で立ちたかった。
自分で自分を認めたかったし、
周りの人や社会的にも認められたかった、
という想いもあったの、心の中に。
今まで“なんとなく”でしか働いてこなかったわたしが、
マクラメと目が合い
夢中になって
生涯続けたいと思った時に、
“趣味”としてゆる〜くやる、の選択肢はなかった。
向き合いたかった、自分と。
本気でやりたかった、マクラメを。
この気持ちに嘘をつきたくなかった。
挑戦したかったんだよね、自分に。
どうしても紐に手が付けられず
石を眺めて終わる日々もあるけれど、
そんな時は“原点”に還る。
創りたいモノを想いきり、
やりたいように表現する。
なにも気にせず、
制限を持たせず、
採算度外視でも
販売目的でなくとも
自己満足でも
一度、想いっきり創りたいモノのために手を動かしてみると世界が途端に輝き出す不思議。
そうすると、
創り慣れたシンプルなデザイン制作も楽しくなり、
「いかに美しく創れるか」に全力で打ち込める。
ひとつの作品に多くの時間を割けない、
とか
売れるデザインを創らなきゃ、
とか
制作数ノルマをこなさなきゃ、
とか
色々あったりするし、
そんな強迫観念的な思いに追われる時や
少し疲れてしまった時には、
“原点”に還る。
月麻の“出発点”に立ち還る。
結ぶ、
とにかく結ぶ。
花に水をやるように
心に情熱を灯す。
*
モノを生み出すこと。
それは世界でたったひとり、
わたししか生み出すことのできない世界を
この外の世界にひらくこと。
広い世界の扉をノックして、
わたしのひと雫を落とし波紋をつくりたい。
そして、
わたしはわたしを知りたいから
この手指に灯る熱を形にし、
もっともっと自分の想いに忠実に表現していきたい。
わたしの内にこの想いがある限り。
喜怒哀楽、すべて引っ提げて。
