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ことばのにわ

Kotoba No Niwa

【細胞】

わたしひとりの死は、
生ける30兆個の細胞の死。
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日々生まれ変わるわたしの内側にある細胞。
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小さな小さな生命たち。
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日々の生活に追われていると
なかなか細胞にまで目を向けられない、
というか、
そもそも考えない。普通に。
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でも、ある時SNSを眺めていた時に
ある動画が流れてきた。
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それは、わたしたちの体内に存在する
『キネシン』という運動タンパク質。
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これがもう本当に二本の足で健気に歩いているようなビジュアルで。
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ものすごく心奪われてしまい、動画も保存したくらい。
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このキネシンが移動する道を『微小管』と言い、
細胞内の超小型の道路とのこと。
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その微小管の上を歩くように進み、
栄養分や細胞小器官、化学シグナルなどを
必要な場所へ運ぶという。
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極めて小さな細胞の中で起きていることで
細胞の大きさを考えると驚くほど長い距離を
移動していることになるという。
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わたしたちが
笑ったり喜んだり悲しんだりしている時も、
はたまた食事をしている時も
仕事に勤しんでいる時も
寝ている時も
一生懸命?に体内にいる無数のキネシンたちは
一瞬たりとも休むことなく黙々と自分の役割を
果たし続けているというロマン。
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この『キネシン』を知った時、
もう自分の命や身体が心から愛おしくなった!
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なんて健気なんだろう…
と思うほかなく、もはや愛しい、キネシンが。
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わたしたちの体内は、小宇宙。
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そう、宇宙が広がっていて、
そこでは様々な小さな細胞たちが
せっせせっせと動いている。
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生まれは死んで、
を繰り返す新陳代謝。
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わたしの生命を土台から支える小宇宙に生きる存在たち。
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直接目では見えないけれど、
目を閉じて耳を澄ましても
彼らを感じられないけれど、
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確かに、わたしの内に生きる無数の命たち。
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そう思うと、独りじゃないんだな、と思える。
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自分を愛おしく想った瞬間だったな。

《今日の一枚》

石もまた、宇宙を宿す存在に想える。
遙か悠久の時を超えて成長する姿も、
その煌めきも模様も色彩も、
摩訶不思議だなぁとしみじみ思う。

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